書評

『驚くべき人間のからだ/神のかたちとして』(ポール・ブランド、フィリップ・ヤンシー共著/いのちのことば社)を読んで

『驚くべき人間のからだ/神のかたちとして』(ポール・ブランド、フィリップ・ヤンシー共著/いのちのことば社)を読んで 最近『ダーウィンの呪い』(講談社現代新書)という本を読む機会があった。意図した訳ではないが、次に対照的な本書を手にした。両書は、どちらも生物学者の声であり、観察であり、その活動の記録である。前者は「優生思想」に基づくものであり、後者は有神論、聖書的創造論に基づくものである。有神論、創造論を非科学的、妄信的、狂信的と考える人が多いが、実際はどちらの方がそうなのか、本書のような助けを受けてよくよく見極めて頂きたいものである。本書の冒頭に思いがけないことが書かれていた。これだけの良書の原稿が、長年著者のクローゼットに眠っていたと。フィリップ・ヤンシー氏の説得が無ければ本書は世に出なかったかもしれない。ブラント医師の人柄が伺えるエピソードだ。因みに本書は、礼拝説教者にとっては飛びつきたくなるような「例話」の宝庫だ。福音を、教会を解き明かす際に、聴衆の理解の助けになるであろう、人体の構造の心踊るような解説が続く。実際、そのように本書が用いられることをブラント医師も望んでおられたことだろう。

 

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